働きながら上達する方法

指が回らないのは運指があやふやだからかも

「指が回らなくて困っているんですっっ」
 
というご相談を本当によく受けます。木管楽器ならば多くの方が悩んだり困ったりする点ですよね。
 
ここでちょっと冷静に考えてみたいのですが、それって本当に指が回ってない状態ですか??

この記事では、クラリネットで指が回らないと思う時に考え直したいこと、練習で気をつけるべきポイントについて解説します。

指が回っていないとはどういうことか?

「指が回っていない」を整理してみましょう。

各音に対応する運指は知っており、音から音へ移るに沿って運指の変更の順序も知っている。でも、スムーズに動かない、速さが出ない。


 これが「指が回っていない」という状態ですね。では、本当のこの状態に自分が陥っているのでしょうか?
 
 もしかしたら、指が回ってないのではなく、各運指とそれらの繋がりをぼんやりとあやふやに覚えているだけかもしれませんよ。

あやふやさを観察して連符を練習する

実を言うと、これは私が経験したことなのです。あるパッセージについて、「運指についてはOKで、ひっかかるのは指が回ってないから」だと考えていました。

しかし、その箇所について、試しに楽器を使わないエアクラリネット練習をしてみると、どの指を離しどの指を閉じるのかが実にあやふやだったのです。

このように運指の移り変わりの認知があやふやならば、指がスムーズに動くわけはないのです。

ここで起こっているのは「自分に教える」というフェーズをすっぽかしているということ。人が楽器演奏が上達するフェーズを知り、自分が今どのフェーズにいるか認知し、丁寧に自分自身に教える場面が必ず必要です。

「認知があやふやこと(やり方を知らない)」と「指が回ってない」のは全く別のことです。練習のアプローチも違ってきます。

ここを分けて考えるとスッキリしますし、より具体的な練習を実行することが可能になり、上達が進みます。

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 実は、楽器はとてもよくできており、私たちの動きを助けてくれるので「あやふや」な場面も知らずにフォローしてくれちゃうんです。

そのまま、運指のあやふやさに気づかないままテンポを速くしていくと、望まない奏法的なクセや、スムーズでない演奏が身についてしまう恐れがあります。

ではどう練習すればいいかというと、楽器を使わないで練習することをオススメします。

練習方法

用意するもの

  • スリコギ、ペットボトル、鉛筆

道具を使わずに【完全エア楽器】でもOK

練習手順

  1. 練習ターゲットを定める
  2. テンポを本番の50%程度に設定する
  3. リズムに合わせて音名読みを声に出して行う
  4. 任意の余白を口に出してカウントする
  5. スリコギなどを楽器に見立ててゆっくり運指を練習する
    • 暗譜で実施することをオススメします
  6. 1〜5を2、3回反復し自分に運指を教えてあげる

暗譜でやると、脳のワーキングメモリに余裕ができ、運指と音のコンビネーションをより明確に観察し、認知し、記憶が整理されます。

また、お風呂の中やお布団の中など、心と体がリラックスする場所で、完全エア楽器でさらにゆっくりやるのも効きます!

特に、楽譜が渡された直後の練習では、楽器を使わずに行うことが能率的です。前述したように、すぐに楽器を手にしてしまうと、楽器が知らぬ間にあやふやさをカバーし、上達の障壁になることがあるからです。

指が回らない自分を責めても無意味


 この記事の冒頭でも取り上げた通り「指が回らなくて困っているんですっっ」という状態で連符について相談されることがよくあります。

「どうやったら速く吹けますか?」という質問も多いです。

そして、こういった場合、ご本人は指が回らない自分を責めて責めて責めまくっています。

でも、責めたところで指が回るようになるでしょうか?

なりませんね。これは明白です。であれば、何をすればいいのか?

何が原因なのか観察して、次の作戦を立てればいいのです。

そのためには信頼できる人に相談したり、聞いてもらったり、専門家にアドバイスを受けることが有効です。そうするうちに、自分自身で練習ポイントを発見し、作戦を経て、上達していく自助力がついていきますよ。

そうすれば、楽器演奏がもっと自由に楽しくなります。より幅広い音楽表現も実現できるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

まとめ

  • 指が回らないことと、運指についてあやふやなことは別問題
  • 指が回るには運指について全て明確であり、その動きのつなぎについてもハッキリ知っていることが大事
  • どこがあやふやなのかよく観察する
  • 楽器を使わない練習が観察と動きの整理に有効
  • 指が回らない自分を責めてもしょうがなく、観察と次の作戦を立てることこそが幸せな楽器演奏への道

丁寧に観察しながらコツコツ練習していけば、きっと音楽の望みが叶います。じっくり練習していきましょう♪

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