余拍をとって練習していないから指がスベる
- 指がスベる
- どうしても連符で走る
- テンポに合わない
- 拍とずれてしまう
そんな悩みのある方に共通のNG練習行動があります。それは、余拍を取らずにただ繰り返して吹くということです。
この記事では、クラリネットで指がすべったり連符が走ったりする原因のひとつであるNG練習行動と、美しく演奏するための練習方法について解説します。
なぜ余拍を取らないとスベるのか
合奏で「走るな!」とか注意を受けた経験ありませんか?
また、個人練習でメトロノームより早く終わってしまったり、合うべき拍からずれたりしたことありませんか?
この現象を引き起こしているのは、私たちが当たり前のように行っている練習行動です。それは、余拍を取らずに練習してしまうこと。
具体的には、練習ターゲットを吹き始める前に「1、2、3、4」などの余拍なしで、ただ単にメトロノームのカチカチに合わせて、ただ単にデロデロと吹くと、走っちゃうのです。
悪い練習の例はこのようなものです。
これはもはや、走ったりすべったりするための練習をしているようなもの。時間の無駄だし、結果も自分の望むものになりません。
でも、この余拍なしNG練習、私たちの多くが無意識に行っており、もはや当たり前になっています。
あなたはどうですか?
では、どうして余拍を取らずに練習すると走ったり滑ったりするのでしょうか?
そもそもスタートがずれる
シンプルな話ですが、「連符が苦手!」「走っちゃう!」「転んじゃう!」という方の多くは、そもそもスタート位置が拍に合っていません。
始めるべきタイミングより先に始めちゃってます。それではズレるのは当たり前。
始めるべきタイミングで始めるには、余拍をカウントし、時間を感じ、始めるタイミングを測る練習も必要なのです。
時間の経過=テンポがズレたり拍に合っていなければ、どんなにベロベロデロデロ指が回っていくら速く吹けても、何も意味はなくなるのです。
拍感を無視するから
連符といえども、各拍の役割はそのまま存在しています。いわゆる「強拍」「弱拍」の役割です。
音楽表現に欠かせない要素です。
これらが、時間の経過=テンポに大きく関与しています。
なので、拍感を無視して練習すると、結局いま自分がどこを演奏しているか見失い、時間の経過があやふやになってコントロールを失って、結果、走ったりスベったりするのです。
余拍をとって練習するとすべらず粒が揃った演奏になる
余拍を取らない練習が当たり前になると、これらがその箇所を演奏する「当たり前」な方法(癖)になることで、練習でも本番でも走ってしまうのです。
恐ろしい話です。
特に、管楽器は音が鳴っている間はずっと息を吐き続けているため、弦楽器やピアノと違って弱拍・強拍のタイミングが取りづらいです。
ですので、より明確に余拍カウントして練習することが大切です。粒が揃うし、すべらず美しいリズムで本番でも演奏可能になります。
それは聴いていても心地よいものです。
余拍を取りながら練習する方法
では、どのように練習すればいいのでしょうか?
具体的な方法はこの通り。
練習方法
- 練習ターゲットを定める
- 任意の余白を口に出してカウントする
- ターゲットのスタートを「ここだ!」と明確にして吹き始める
- リピート練習する際も毎回必ず余白をカウントする
こんな感じです(動画)
特に、ターゲットが始まる1拍前をたっぷりとるのが大事です。
ひとつ前の悪い例の動画とは、流れも音質もスムーズで納得感があり、十六分音符の長さも充実していることがわかります。
任意の余拍カウントは、作品の拍子や、何拍目から練習ターゲットがスタートするのかに合わせてください。
また、目的があってわざとリズムを変えたり、拍をずらして練習する時も、同様に必ず余拍をカウントしてから吹き始めましょう。
まとめ
いかがでしたか?
- スベったり走ってしまうのは、余白を取らずに練習しているから
- 余拍のない練習により、スタートのズレや拍感のない演奏が「癖」として身についてしまう
- 本番で走る&スベる
- 都度、余拍カウントをとって練習すると美しい演奏に効果的
- 特に開始直前の一拍分をたっぷりと
ぜひ実践してください!クラリネットの指回りも自然になり、スラスラ演奏できますよ。